高卒で就職する理由

採用ノウハウ

2023.03.27

高校を卒業してからの進路は、就職する人や進学する人などさまざまです。
大学や専門学校への進学を選択する人が多い中、高卒で就職するメリットは、一体なんでしょうか？
高卒採用をする企業の方にとって「高卒で就職する理由」は、理解しておきたいポイントです。
この記事では、高校生が高卒で就職する理由と、高卒就職の現状を深掘りしていきます。
高卒採用のメリットについても、併せてご紹介します。

1.高卒就職の現状（データ系）

高校を卒業した後の進路状況は、どうなっているのか見てみましょう。
文部科学省が毎年公表している「学校基本調査」というものがあります。これは、全国の教育機関の数や在学者数、卒業後の状況をまとめたものです。
2022 年度のデータを見てみると、高卒で就職する人の割合は約 16％。
そして、その多くは常用労働者として企業に就職しています。
高校を卒業した人の約 80％は卒業後に進学していますが、進学後に中退する人もいます。
したがって、実際に高卒で就職している人は、データより多い数になるでしょう。
出典：文部科学省（学校基本調査－令和 4 年度結果の概要－）

また、高卒で就職することを選んだ人たちの就職内定状況についても見てみましょう。
令和４年 3 月卒業予定者の就職内定状況について、文部科学省が発表しています。
男子 98.4％
女子 97.0％
出典：文部科学省（令和 4 年 3 月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和 4 年 3 月末現在)に関する調査について）

併せて令和 3 年度大学等卒業予定者の就職状況も見ていきます。
男子 94.6％
女子 97.6％
高卒と大卒で、就職率に大差はなく、高卒男子に関しては、大卒男子よりも就職率が高くなっています。
また全体で見ると、大卒よりも高卒の方が就職率は高い傾向にあります。なお、どちらも新卒の場合のデータです。
高卒は大卒に比べて就職率が低いと思われがちですが、そうではないことがこのデータから分かります。
出典：文部科学省（令和 3 年度大学等卒業予定者の就職状況調査（4 月 1 日現在）について）

2.高卒で就職する理由（能力が低い以外、お金が欲しい、すぐにでも働きたい、など）

高校生が卒業してすぐに就職したいという理由のひとつに「早く自立したい」というものが多く挙げられます。早く自分で稼げるようになって、経済的にも精神的にも自立したいと考える人が多いようです。
なかには、経済的に余裕がないために、進学ではなく高卒で就職せざるを得ない場合もあります。
大学や短大、専門学校に進学するには、多くのお金がかかります。奨学金を借りて進学するにしても、就職してから返済していけるかどうか、不安が残ります。
年々学費が値上がりしていることで、状況的に高卒で就職することを選ぶ人もいるのが現状です。
また、進学してやりたいことがない、もう勉強をしたくないと考える人も。
高い費用を出して目的なく進学するくらいなら、高卒で就職した方が良いという人もいるでしょう。周りよりも早く就職し、仕事のスキルを身につけて、社会人経験を多く積みたいという考えです。
それ以外にも、高校生のうちからやりたい仕事が明確にある人は、いち早くその業界に飛び込んで技術を学ぼうとする傾向があります。

3.（上記を踏まえた）高卒採用のメリット

高卒で就職した人は、大学を出て就職した人よりも４年先に社会人になります。４年間の社会人経験の差は大きく、若いうちに重要な仕事を任せられるようになるでしょう。
技術面だけでなく、仕事に取り組む姿勢や、意識も早いうちから高められ、より質の高い仕事ができます。
学歴ではなく実力で評価する企業が増えているため、早くに社会人経験を積んでいる分、出世するチャンスが多くあるでしょう。
高卒の若手が入ってくることで、既存社員の意識の向上も期待できます。
高卒採用をして、仕事に対する姿勢が前向きな人材を早くに獲得することが重要です。
若手の長期戦力化も望めますので、積極的に高卒採用をしていきましょう。

4.まとめ

高卒で就職するという選択をする人はまだまだ少ないです。
そのため、高校を出てすぐに就職活動をしても就職しづらいと思われていたり、デメリットが多いように考えられていたりしがちです。
ですが、高卒で就職することを選択すると、メリットもたくさんあります。周りよりも早く社会人経験を積んでスキルアップでき、経済的にも精神的にも早く自立できるでしょう。
人材不足が深刻な問題になっている近年、高卒採用をする企業も増えてきています。
高卒で就職する理由として「早く自立したい」という、前向きな考えが多く挙げられます。
高卒で就職する理由を理解し、会社に適した優秀な人材を早くに採用できるよう、積極的に動いていきましょう。

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