来年度はどうなる?知っておきたい2024年度採用計画のポイント
「高卒採用の教科書」編集部です。
2023年度も折り返し地点を過ぎ、2024年度を見据えた会話も多くなってきたのではないでしょうか。採用計画についても、各社そろそろ来年度計画を立て始めるタイミングだと思います。加速度的な生産年齢人口の減少や、大手企業の事業環境変化に伴う採用数増加などを背景に、年々難易度が高まる採用市場。2024年度の採用計画を立てる前に整理しておきたい情報と押さえておきたいポイントをご紹介したいと思います。
1.2020年から振り返る求人数と求職者
①新卒採用観点で見る求人数と求職者(新卒学生/民間企業就職希望者)
コロナ禍で一時減少した求人数でしたが、2023年度の採用から対前年度に対して増加傾向に反転。企業規模(大手中小)・業界業種問わず全体的にこの傾向にあります。
一方、求職者については新卒学生/民間企業就職希望者ともに、前年度に対し増加傾向ではありますが、求人数の増加率が大きく上回っている状況です。
つまり求職者数に対し求人数が上回る「需要超過」の状況、所謂「売り手市場」の状況です。
②中途採用観点で見る求人数と求職者
中途採用においても新卒採用と同様の傾向です。
求職者も増加している一方で、求人数がそれを大きく上回り増加している状況。また、この求人増加の傾向は大手企業に依存しているわけではなく、中堅中小も含めた全体に言える傾向です。新卒と同様に、求職者数に対し求人数が上回る「需要超過」の状況、所謂「売り手市場」の状況です。
また、特筆すべきポイントとしては中途採用における未経験者採用が増えている事実。中途採用と新卒採用を比較した際の最大ポイントは「経験値」だと思いますが、実は経験者のみならず、未経験者の採用も増加しているのが現状です。
新卒・中途問わず人材獲得の難易度が年々高まる採用市場ではありますが、求人数・求職者数の傾向把握はもちろん、他の企業が取り組んでいる採用戦略のトレンドを把握しておくことも非常に重要です。
2.新卒採用・中途採用のバランスを考える
「採用」と一口に言っても新卒採用と中途採用の大きく2つの選択肢があり、どのような基準で、どちらを選択すればよいのかお悩みになる方も多いと思います。
下記のような観点で自社の状況にあったバランスを判断していきます。
①新卒採用・中途採用により得られるもの
一般的に新卒採用は組織に新しい視点とエネルギーをもたらし、中途採用は経験と専門知識を迅速に導入できる利点があるといわれています。
②年齢構成
中長期的に事業を発展させていくために欠かせない観点が「組織年齢構成」です。
定年退職による欠員や次期リーダー候補の不足感をあらかじめ想定すること、また中堅ベテラン層が集中していることによりイノベーションが起きづらくなっていることなど、組織年齢構成を眺めてみると様々な課題が浮き彫りになってきます。
③経営戦略との接続性
最も重要なのは、会社の戦略や計画、実現したいことをゴールと置いてバランスを検討することです。採用はあくまで手段の一つであり、経営計画・戦略を実現することが目的であることを忘れないようにしましょう。
自社の現状を適切に把握し、ありたい姿に対するギャップを見立て、中途採用と新卒採用の最適なバランスを検討しましょう。
3.採用計画に沿って採用スケジュールを作成する
上記の通り、採用計画を立案する際に重要なのは、経営計画・経営戦略を把握しそれに伴った計画を立案することです。つまり、まずは経営陣と対話を行い戦略を認識・理解を深めることが必要です。
その後、以下の流れで詳細な計画を立案します。
①現状把握
現在の組織の状態を評価し、採用必然性の判断を行います。この際に気を付けておきたいのは部門責任者とも対話をすること。机上では見えない従業員同士の関係性やプロジェクトの進捗なども考慮します。
②必要人材の明確化
戦略・計画の実現に対する現状組織とのギャップ、つまり必要人材の明確化を行います。
この時点で”教育などを通し既存社員で本当に実現できないのか?”といった採用以外の手法で実現できる可能性についても検討を深めておくことが重要です。
③採用目標の立案
上記をもとに新卒採用と中途採用の比率、部門や職種・ポジションなども含めて採用目標を立案します。この時点でポジション毎の優先度もつけておけるとよいでしょう。
④採用手法の検討
採用を行う方法として、媒体活用・リファラル採用・エージェント活用・ダイレクトリクルーティングなど、様々な手法があります。かかる工数や費用、採用実現可能性なども含めて総合的にバランスのとれた手法の検討が必要です。
⑤予算の確認
上記で整理した内容を基にかかる費用を見積り、経営陣に予算の確認・交渉を行い、合意を得ます。この際、かかる費用に対して得られるであろう効果を明示できると尚良いでしょう。
⑥スケジュールの立案
すべて一斉に採用活動ができるとよいですが、採用にかけられる工数が限られていることもあると思います。季節要因を抑えたうえで、優先順位とのバランスを鑑みスケジュールを立案します。
※季節要因一例
・新卒採用:新卒採用開始時期、新卒学生の活動状況 等
・中途採用:大手企業の年度採用活動開始時期、異動・賞与支給時期の登録者増加 等
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
年々激化する採用市場、また経営陣からの要望も年々複雑化・多様化してきている状況だと思います。少しでも参考にしていただき、良い人材の獲得を実現いただけることをお祈りしています。
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