日本の人手不足の現状と解消するための3つのポイントについて解説
日本の人手不足の現状は、深刻化している傾向にあります。近年は新型コロナウイルスの影響もあり、実際に人手不足だと感じている企業の方も多いのではないでしょうか。求人の案内を出してもなかなか人が集まらず、そのなかで優秀な人材を確保することは、さらに困難を極めます。
この記事では、日本の人手不足の現状と人手不足を解消する方法をご紹介します。人手不足でどの企業も人材を欲しているなかで、優秀な人材を確保できるよう、ぜひ参考にしてください。
1.2023年における日本の人手不足の現状とは
日本における人手不足の現状について、データを通してみてみましょう。2022年に日本商工会議所が全国47都道府県の中小企業を対象に、人手不足についてのアンケート調査を実施しています。アンケート調査で、「人手が不足している」と回答した企業は約65%でした。人手不足の原因は少子高齢化だけでなく、新型コロナウイルスによる影響も考えられます。
そして、特定の業界・職種によっては、人手不足がさらに深刻化している状況です。また、中小企業は大手企業に比べて知名度が低く、新卒が集まりにくいこと、中途採用で条件を厳しく見られることで人手不足に陥りやすいでしょう。
2021年度の新卒採用において、新卒の求人募集をした企業は51%です。そのうち、予定人数を採用できた企業は約46%、求人募集をしたが全く採用できなかった企業は約20%でした。
新卒の求人募集をしても、半数以上の企業は予定人数を採用することができていない現状にあります。
参考:日本商工会議所
2.人手不足に陥りやすい業界・職種とは
ここからは、人手不足に陥りやすい業界・職種についてみてみましょう。
帝国データバンクの2023年4月のデータによると、正社員の人手不足を感じている企業の割合は約51%です。業種別では「旅館・ホテル」が約76%、「情報サービス」が約74%、「メンテナンス・警備・検査」が約68%でした。また、非正社員では約31%が人手不足で、業種別では「飲食店」が約85%でトップです。
人手不足の割合が7割を超えている業界が多くあります。新型コロナウイルスで一時悪化していた需要が回復したため、供給が追いつかない状況になっていることが原因と考えられます。
「情報サービス」の業界も、新型コロナウイルスによってネットショッピングやIT業界に関連した仕事などが増えたために、人手不足になっています。IT業界は専門知識や高い技術が必要になることが多いため、ITエンジニアやプログラマーなどの技術者の需要はより高まるでしょう。
参考:帝国データバンク
3.人手不足を解消するには
慢性的な人手不足に陥ることで、既存社員の負担が大きくなって離職につながったり、仕事が滞ったりすることがあります。企業が人手不足を解消するためにできることはなんでしょうか。
人手不足を解消する方法を3つご紹介します。
①人材募集のコストを増やす
中小企業は大企業と比べて認知度が低い傾向があり、会社名を見ただけでは何の会社なのか、どのような仕事内容なのかが分かりません。より多くの求人サイトに求人を載せることや、人材紹介の会社に登録するなど、人材募集のためのコストを増やして自社をアピールすることが必要です。企業説明会も積極的に開催しましょう。
また、採用サイトや管理システム、Web面接ツールなど、採用活動を効率化することに費用をかけることも大切です。
②既存人員の定着を強化する
新たな人材を確保するにあたって、既存人員の定着を強化することも重要なポイントです。人手不足を解消するために採用活動を行いますが、採用担当者は通常業務に加えて負担が増えることがあります。既存人員の離職につながらないよう、業務の効率化や社内環境の改善を行うことが必要です。
また、新入社員が入社したときに社内の体制が整っていないと、早期離職してしまうことにつながります。既存社員の定着とスキルアップを意識して社内環境を整えましょう。
③高卒採用を始める
新卒採用は一度にたくさんの求人募集を出すことができたり、採用コストを抑えられたりするメリットがあります。新卒採用というと、大卒採用を考える方が多いでしょう。
しかし、中小企業が採用活動をするにあたっておすすめなのが「高卒採用」です。まだ高卒採用をしたことがないという企業も多いでしょう。
高卒採用を始めることで、早い段階で優秀な人材を確保できます。高卒採用は大卒採用に比べて採用の手順が少なく、効率よく採用活動ができます。高校生の新卒は大学を卒業した新卒よりも4年早く社会に出られるため、早くから活躍でき長期戦力として企業の向上につながるでしょう。
4.まとめ
多くの企業が抱える人材不足の問題。「旅館・ホテル業」「IT業」「飲食業」などではとくに深刻化しています。人材不足は新型コロナウイルスの影響もありますが、少子高齢化の影響も相まって、今後も問題となり続けるでしょう。
人手不足を解消するためには、人材募集のための費用を増やしたり、既存人員の定着を強化したりすることが重要です。それと同時に高卒採用を積極的に行い、人材不足に陥らないよう採用活動をしましょう。
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