高卒採用の最大の課題!早期離職の原因と4つの対策を徹底解説
人手不足を背景に、高卒採用に取り組み始める企業が増えていますが、課題の一つに入社後と早期離職があります。
せっかく時間とコストをかけて採用しても、すぐに辞められてしまっては非常にもったいないです。
そこで今回は高卒採用後の離職について、対策を含めて解説していきます。
1.高卒採用の離職率の現状
高校を卒業見込みの学生を採用する高卒採用ですが、課題の一つに離職率があります。
では、実際に高卒採用で入社した方の離職率はどのくらいなのでしょうか?
下記は、厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」で発表されている新規高卒就職者の3年目以内での離職状況になります。
平成30年3月卒で入社した方の3年以内の離職率は36.9%であり、採用した3人に1人が3年以内に離職してしまっていることがわかります。
平成15年3月卒と比較すると、10ポイント以上離職率は低下していますが、引き続き高い値になっているのが現状です。
また、平成30年3月卒の事業所規模別での入社3年目までの離職率は下記の通りです。
事業所の規模が大きくなればなるほど、3年以内での離職率は低下していく傾向にあることがわかります。
反対に、規模の小さい30人以下の事業所に関しては入社から、3年以内に50%以上が離職しているという結果になっています。
高卒採用は大手企業も実施していますが、地元で長年事業を運営しているような中小企業が多いというのも事実です。
そういった地元の中小企業にとって、採用後の早期離職というのは、教育にかけたコストや手間などの観点からも非常に大きな課題となっています。
2.高卒採用の離職率が高い3つの理由
高卒で採用した方が、3年以内に4割近く辞めてしまうというのは、採用する側としては大きな痛手になります。
では、なぜここまで高卒採用の離職率は高いのでしょうか?
その原因について解説していきます。
①白黒の求人票
一つ目は、高卒採用で使用される求人票に関してです。
高卒採用は、ハローワークへ求人票を提出し、それをもとに募集活動がスタートしていきます。
しかし、ここで使用される求人票は白黒のテキストベースのものとなっています。
つまり、高校生は、中途採用や、大卒採用のように、インターネットの求人メディアなどで画像や動画を使った求人を見て企業を選択することは難しくなっているのです。
この事前の情報量の少なさが、入社前と入社後でのギャップを生み出すことになってしまい、結果的に早期離職に繋がっています。
②一人一社制というルール
高卒採用には、「一人一社制」というルールが存在します。
これは、高校生は就職先として応募する企業を一人一社しか選択できないというルールです。
このルールにより、高校生は応募した企業が一社しか存在しないため、内定が出たらほぼ確実にその企業に入社します。
しかし、仮に複数の企業から選択することができていれば、色々な話を聞いてから自分に合った企業への就職を決めることができるかもしれません。
こういった選択肢の少なさが、学生と企業の間でのミスマッチを引き起こし、早期離職を発生させる原因となっています。
③就労経験が無い・浅い
当然のことですが、高卒採用では、中途採用とは違い、社会人経験の無い学生を採用することになります。
仮に働いた経験があるとしても、パート、アルバイトとしての経験がほとんどでしょう。
若い素直な人材を採用できるという点ではメリットになりますが、0から社会人としての働き方などを伝えていく必要があります。
中には、学生時代に思い描いていた理想の社会人像と、実際の業務内容などに差があり、モチベーションが低下してしまうこともあるでしょう。
こういった、就労経験の無さが原因となり、早期離職に繋がるケースも存在します。
3.早期離職を防ぐポイント4選
一つ前の章で紹介したような理由もあり、高卒採用の早期離職率は高くなっています。
では、どのような点に注意すれば、早期離職を防止することができるのでしょうか?
ここからは、高卒採用における早期離職を防ぐためのポイントについて解説していきます。
①伝える情報量を増やす
一つ目のポイントは、伝える情報量を増やすということです。
早期離職の理由でもお伝えしましたが、白黒の求人票という、知ることのできる情報の少なさは、入社前と入社後でのギャップを引き起こします。
そのため、そのギャップをできるだけ小さくするためにも、情報発信の量を増やしていきましょう。
具体的には、自社の魅力を伝えるような採用ツールを揃えることをおすすめします。
採用サイトや採用動画といったデジタルツールはもちろんのこと、手に取って保管してもらうことができる採用パンフレットなどもおすすめです。
また、ツールだけでなく、情報を届ける機会を作ることも重要です。
合同企業説明会などには積極的に参加するようにしましょう。
②高校訪問の実施
二つ目のポイントは高校訪問です。
高校訪問は、必須の取り組みではないですが、高卒採用に取り組んでいる企業であれば絶対に実施しておくべき施策になります。
ここでのポイントは、高校訪問の際に進路指導の先生に、自社の魅力とともに欲しい学生の像を明確に伝えることです。
高校生が、自分が応募する企業を決める際、高校の先生からおすすめの企業を紹介され、その企業を選択するというケースは非常に多いです。
つまり、高校生だけでなく、先生にも自社のことを知ってもらう必要があり、求めている人物像を伝えることができていなければ、ミスマッチの起きる可能性がある学生を紹介されてしまうことも起こりえます。
事前に早期離職を引き起こす要因を減らしておくためにも、高校訪問による情報提供も忘れずに行っておきましょう。
③応募前職場見学の実施
三つ目のポイントは、応募前職場見学を実施することです。
応募前職場見学は、高校3年生を対象に、応募先を決める直前にあたる夏休みに実施する施策になります。
この応募前職場見学を実施することによって、実際に働いている現場をリアルに見学してもらうことができ、入社後のギャップを少なくすることが期待できます。
高校生としては事前に自分が働いているイメージを持つことができ、企業としては事前にリアルな情報を届けることができる有効な施策になるため、高校側と連携を取りながら応募前職場見学を実施することをおすすめします。
④インターンシップの実施
四つ目は、インターンシップの実施です。
こちらは高校1,2年生向けの施策になります。
応募前職場見学とは違い、実際の仕事を体験してもらうのがインターンシップになります。
インターンシップを実施することで、より深く自社の業務について理解してもらうことができ、ミスマッチの防止につなげることができます。
即時で効果を発揮する施策ではないですが、毎年高卒採用を行っている企業であれば実施して損はない施策になるでしょう。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?
高卒採用は若くて素直な人材を採用できるという大きなメリットがありますが、早期離職が発生しやすいというリスクも存在します。
早期離職が発生してしまう理由を理解し、事前に対策を図ることで、高卒採用を成功に導いていきましょう。
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