求職者が気にする「離職率」。離職率が高い会社の特徴や改善点とは?
「高卒採用の教科書」編集部です。
就職活動をするにあたり、会社の離職率は着目されやすい指標のひとつです。業界によって離職率は大きく異なりますが、会社の離職率が業界の平均から逸脱しているのであれば、改善が必要といえるでしょう。今回は、離職率が高い職場にありがちな特徴や、離職率を下げるための具体策をご紹介いたします。
1.離職率の平均
離職率とは、一般的に「ある時点で働いていた人数のうち、一定期間後に退職した人の割合」を指します。しかし、離職率の定義は法律で定められておらず、会社よって「一定期間」の範囲や計算方法が異なります。
求職者は、離職率が高いほど労働環境が悪いという印象を持ちやすいですが、必ずしも職場環境の状態と比例して離職率が上がるわけではありません。例えば、技術・専門職の場合は、キャリアアップのために転職を希望する人材が多く、離職率は高い傾向にあります。更に、厚生労働省が発表している令和4年度上半期「雇用動向調査結果」によると、離職率の平均は「宿泊業・飲食サービス業(20.3%)」に対し「教育・学習支援業(12.2%)」という結果が出ており、業界ごとに離職率の平均が異なることが分かります。そのため、全ての業界をひとまとめにした離職率と自社の離職率を比較して一喜一憂する必要はありません。
2.離職率が高い会社の特徴
過剰に離職率を気にする必要はありませんが、一方で、同業他社と比較して自社の離職率が高いのであれば、職場環境を見直す必要があります。ここでは、離職率が高い会社にありがちな特徴をお伝えします。
1.仕事と生活の調和が取れない
残業が多くプライベート時間を確保できない職場は、離職率が高くなります。また、育児や介護をする必要が出てきた時に、働き方の変更が難しい職場だと退職せざるを得ない場合があります。
2.人事評価制度が整備されていない
年功序列の人事評価を採用している場合、個人の能力や実績を問わずに、人事や賃金が決められてしまうといったデメリットがあります。例え努力をして会社に貢献したとしても、実際に人事や賃金に反映されないのであれば、職場や業界から離れるきっかけになります。
3.人間関係に問題がある
社員同士の雰囲気が良好ではない職場では、困った時に相談しにくく、特に入社したての社員は悩みを1人で抱えやすくなってしまいます。また、ハラスメントが横行している職場も、実際の業務以外のストレスが大きくなることから、退職希望者が多くなります。
4.教育体制が整備されていない
高卒者の新入社員は、経験者と比較すると実務経験が乏しく、入職時は分からないことも多いです。そのため、十分なオリエンテーションや教育・指導を受けないまま業務を任せてしまうと、業務に不安を感じて離職を考えてしまうことがあります。
3.離職率を下げるポイント
求職者は、離職率を「働きやすい企業のバロメーター」と捉えることが多く、離職率が高いと会社に対するマイナスの印象を抱きやすくなります。ここでは、具体的に離職率を下げる方法をご説明しますので、ぜひ参考になさってください。
1.ワークライフバランスの改善・福利厚生の充実
有給を消化しやすい体制づくりや、育児休暇・介護休暇を取得しやすい環境整備をすることで、社員が仕事と生活の調和を図りやすくなります。また、必要に応じて社員の満足度調査を行うことで、社員が会社に対して実際にどのような不満を抱いているかを把握することができます。
2.人事評価制度を改善する
公平に評価をするために、給与や賞与に関しては明確かつ透明性のある基準を設けることが重要です。また、実績に応じてインセンティブを付与したり、社内表彰をする制度があると社員のモチベーションアップに繋がります。
3.コミュニケーションが取りやすい環境づくり
高卒枠で採用した社員は、社会経験の乏しさから「こんなことを質問して怒られないか」「分からないと正直に言ったら呆れられてしまわないだろうか」と業務に必要な報告・連絡・相談をためらってしまうことがあります。そのため、不安なことや疑問点がないか適宜声掛けをし、振り返る機会を設けるとよいでしょう。
4.業務内容を見直す
社員は、あまりにも実力に見合っていない内容の仕事ばかり任せられると、仕事に対するやりがいを感じられなくなってしまいます。一人ひとりの能力や知識に応じた業務の割り振りをしましょう。新入社員に対しては、OJTの活用も効果的です。
5.正しい情報を発信する
募集要項に記載されている「年収○○○万円」などの文言は、求職者に大きなインパクトを与えるとともに、会社への興味を引き出すきっかけになります。しかし、入社時に期待していたイメージと現実が大きく異なってしまうと、会社への不信感や不満につながります。会社のイメージを良くしようと誇張した表現を使うのではなく、現実に即した情報を発信しましょう。
4.まとめ
人材不足の現代において、求職者はよりよい職場を求めて就職活動をします。そのため、離職率が高い会社は、募集要項を出した時点で競合他社との人材獲得競争に負け、優秀な人材を取りこぼしている可能性があります。離職率が低いほど職場環境が良いとは限りませんが、同業他社と比較した時の自社の離職率の現状やその背景を分析し、人材の流出を防ぐために対策を講じることは重要です。
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