高卒採用のポイント～商業高校編～

採用ノウハウ

2023.04.10

「高卒採用の教科書」編集部です。本コラムでは、高卒採用の中でも「商業高校」に着目して、商業生の特徴を知り、その特徴を活かせる業種や商業生を採用するポイントなどを解説していきたいと思います。

1.学科別就職人数

いつも本Webサイトのコラムをお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
高校でも様々な学科が存在します。その中で商業高校卒業の就職人数はどのくらいいるのでしょうか。
現在、文部科学省が発表している令和4年度の高等学校卒業者学科別進路状況では、57,125名のうち35.3％が就職していることがわかりました。1960年代までは、主に高校卒業後就職を選択される方が主流でしたが、1992年には高卒の就職が減少のピークを迎えました。また、2015年の商業学科では男子の進学率が32.5%と高く、女子の就職率の方が44.8％と男子の就職率より高い傾向になっているようです。普通学科以外の高校に通っている学生は、就職することが当たり前の時代はすでに終わりを迎えていると言っても過言ではないようですね。

2.商業高校の特徴

商業高校は、在学中に事務系の職種に有利になる資格を取得できることが大きな特徴です。
例えば、日本商工会議所が実施している「日商簿記」は就活の中でも特に有利になる資格で2級以上の資格保有者はとても有力です。また「日本語ワープロ検定」や「情報処理」はパソコンやコンピュータに関する操作技術や知識を得ている証となる資格なので、会社で必要なコンピュータ活用能力を発揮してくれるでしょう。また、「商業経済検定」は経済社会の一般的な知識を得て、マーケティングや経理などの職種で活躍することができます。さらに「ビジネス計算事務検定」は計算の早さと正確さを競う資格で、事務職のどのような場面でもスピードと正確さは必要となりますから、経理・財務の職種にはもってこいの資格となります。他にも商業高校ならではの取得できる資格は多数ありますが、例であげた資格は代表的なもので、会社が求めている人材と職種で大いに生かすことができるものです。履歴書に記載されているか業種によってチェックしておきたいものですね。
専門分野のカリキュラムがあることで、同じ商業高校でも強みになる分野が異なります。ぜひ、志願してきた学生がどんな勉強をしてきたか、よく確認していただきたいところです。

3.商業高校の学生を採用するポイント

多くの資格を取得することができる学校に通われている商業生を採用するには、企業が求めている職種(業種)に合っているか、確認する必要があります。
事務系に強いカリキュラムをこなしてきた商業生は、前項でもお伝えした通り、さまざまな資格を所有している人が多いと見込まれます。その中で、どんな人材を必要としているかを明確にして本人の実力が発揮できる企業でないと採用したとしても、退職してしまう可能性も少なくありません。企業の求めている能力と本人が携わりたいと思っている分野がマッチすることが、一番良い関係性と言えます。
また、商業高校には企業から学校に向けて出されている求人数が多く、一人一社制のルールがあるので、大半の企業は「採用」を前提とした入社試験が多いでしょう。しかし、採用することがゴールではなく、企業の人材として有効であり、かつ本人が活躍できることがゴールになります。企業が必要とする専門知識や資格を所有している人は、すでに基礎知識が習得されている状態からスタートなので、入社後の作業理解がスムーズになること間違いありません。代表的な職種として事務職をあげていますが、商業高校で学ぶ内容は事務職のみならず、さまざまな分野の業種で活躍することが期待できますので、まずは企業の求める人材を明確にし、学生の強みを生かせる職場を提供できることが良いと思われます。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は商業高校に着目して、商業生の特徴や採用するにあたっての強みなどをお伝えしてまいりました。商業というだけあって、企業の事務仕事をするには知識やパソコンスキルなどを考えると戦力になること間違いないでしょう。もちろん専門学科なので弱みもあることは確かです。他にも工業高校や農業高校などの実業高校の学科もありますので、一番企業が求めている人はどのような人材なのかを整理することから始めてみてはいかがでしょうか。そちらを整理することで、自ずと採用したい人が明確になると思います。

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