高卒採用のポイント!~工業高校編~
「高卒採用の教科書」編集部です。
本コラムでは、高卒採用の中でも「工業高校」に着目してご紹介したいと思います。専門知識が必要とされる会社に就職しやすいことに魅力を感じて入学する生徒が多い工業科。普通科高校では得られない「ものづくり」に関する専門知識と経験を積んだ卒業生は、企業からのニーズが高く採用対象としては難易度が高いと言えます。
工業高校卒業生を採用するため、現状を把握しポイントを押さえ採用計画を立てましょう。
1.学科別就職人数
工業高校の高い就職希望率と就職内定率
文部科学省によると、令和4年3月の高校卒業生の総数は990,230人で、卒業後就職をした割合は14.8%でした。
学科別でみると普通科の卒業生は724,524人と最も多く、そのうち就職を進路に選んだ卒業生は6.6%で、工業科卒業生は73,872人、そのうちの68%が就職を進路に選んでいます。
就職内定率は工業科が99.4%、商業科99.0%、看護科98.9%、農業科98.8%、普通科95.8%となっており、工業科の高い内定率は将来就職を希望する生徒が工業科に集まる要因になっています。
これらのデータからも工業高校の生徒は、卒業後の進路を早い時期に「就職」に定めており、また企業からもニーズが高いと言えるでしょう。
2.工業高校の特徴
就職に向けての特別なカリキュラムを持つ工業高校
工業高校では、機械工学、電気工学、応用化学、建築や自動車工学など、「ものづくり」 の現場で必要とされる工業に関する知識や技術・技能などの、工業各分野に関する専門の科目について、3年間で25単位以上学びます。
具体的には普通科に比べ、専門的な実習やその報告書作成など、より就職後の実務に直結するような授業が多く、就業開始後すぐに働けるように必要分野の資格取得にも積極的なことが工業科の特徴です。
工業科の教師は専門的な実務経歴を持つことも多く、知識やスキルを現実に職場でどう使うのか、などのアドバイスをすることもできます。また、学校や就職担当教師が就職先企業と長期間にわたり連携をとっていることが多く、各企業の待遇や業務内容などの情報も蓄積されています。企業側も職場見学や業界学習などの学習機会を提供し学校との関係を深めています。
もちろん専門的な教育のみならず、一般的な教養や社会人に必要な基本的なマナー、コミュニケーションスキルなども学び、就職に向けて在学中に準備をしていきます。
生徒も過去の卒業生が就職を選択している実績を参考に、受験時にすでに働くことを選択しているので、工業科の生徒は「専門的なスキルを身に付け、将来は就職したい」という意欲や目的を持って入学しています。
工業高校は、実践的な知識やスキルを身につけ、就職に向けて準備ができるという大きな特徴があります。
3.工業高校の生徒を採用するポイント
実践的な知識やスキルと職場での責任感や誠実さ、工業高校卒業生には魅力が多い
前述のとおり、工業高校では専門的な知識やスキル、必要な資格取得、また一般的な社会人として必要な教育も受けています。実践的な教育に重点を置いた内容で教育を受けているので、卒業生は職場での責任感や誠実さを持っていることが多いです。
そのため企業からも一定のニーズがあり、生徒も卒業後の進路を「就職」と想定していることが多い為、就職内定率が高い傾向にあります。
学校側も就職活動について早めに対応を開始します。生徒たちには入学時から卒業まで3年間の就職に向けたスケジュールが伝えられ、1年生では職場見学や業界学習のような時間が設けられます。また、2年生になると、学校に届いている前年度の求人票や先輩からの情報を集め、自分が来年どの企業を希望しようかと検討し始めています。
内定率に加え就職先企業や、就職後の就業継続率が、次年度以降の学校の人気にも直結するので、就職担当の教師も就職についての活動は相当熱心です。
数多くの生徒を就職に導いている経験や実績もあるので、就職先や採用試験に関する知識も豊富です。また日頃からの企業との信頼関係や就業実績にも重きをおいています。
以上の点により、普通科の生徒と比べて早めに採用活動を始め、学校との連携も取れるような準備がポイントになると言えます。
4.まとめ
工業高校生は、高校入試の時点ですでに就職を目標にして受験をしている生徒が多く、働くことに意欲的です。また、専門的な知識や資格を持ち、責任感や誠実な人柄など、即戦力として期待される工業高校の卒業生は、会社にとって貴重な戦力となる人材ですので、企業からの人気は高く採用の難易度は高いと言えるでしょう。
人手不足の昨今では、働く意欲があり、専門知識を持つ工業高校卒業生のニーズがさらに高まることが予想されます。職場見学の場を提供したり、生徒や学校との交流を図る場を作るなどして自社の魅力を伝えたり、学校に定期的な情報提供などの活動で学校との信頼関係を築くことも工業高校卒業生を採用確保することに繋がるのではないでしょうか。
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