ハローワークを通さずに高卒採用はできるのか?
人手不足が深刻化している昨今、高卒採用を積極的に行う企業が増えています。高卒採用は、大卒採用とは異なり国や都道府県が独自のルールを定めています。今回は、ルールを正しく理解し効率よく採用活動ができるよう、ハローワークの活用や併せて実施したい施策についてご説明いたします。
1.高卒採用でハローワークの活用は必須?
高校生は社会経験がないことから、適正な職業選択ができるよう守られる権利があります。そのため、行政(厚労省と文科省)と学校、企業の三者間が採用活動に関するガイドラインを作成し、都道府県ごとに詳細を決定しています。ガイドラインでは、高校を通さず採用活動を行うことを禁止しているため、一般的には企業が求人票を元に教諭や高校生に求人情報を提供するという「学校斡旋」という方法をとります。
しかし、上記はあくまでも国や都道府県で定められたルールであり、法律で制定されているわけではありません。実際は、高校生が自ら企業に応募する「自己開拓」や家族の紹介による「縁故就職」も可能です。
2.ハローワークで行わなければならないこと
学校斡旋の場合は、ハローワークが行う説明会に参加し必要書類を提出して初めて採用活動を行うことができます。例えば、高校はハローワークの確認印がない求人票は受理しません。このように、手続きを一歩間違えると採用活動を中断せざるを得ない状況を招きかねませんので、改めて高卒の採用活動時に行うべきことを押さえておきましょう。
1.学卒求人説明会への参加
学卒求人説明会とは、ハローワークが行う高卒者が対象の就職説明会のことで、高卒採用を行う際は説明会への参加が必ず必要になります。前年度に高卒採用を行った実績がある企業に対しては、ハローワークから開催に関するお知らせが届きますが、それ以外の企業は事前にハローワークのHPで開催日を確認しておきましょう。
2.求人申込書の依頼と求人票の受け取り
求人票を作成する際は、予め求人申込書の提出が必要になります。求人申込書を作成する際は、企業が学校を指定して求人を出す「指定校求人」と全国の高校に求人を出す「公開求人」を選択できるので、どちらの方法で求人を出すか決めておきましょう。完成した求人票は、7月1日以降にハローワークで受け取りが可能になります。
3.採用状況の報告
採用選考中は、毎月の採用内定状況をハローワークに報告する必要があります。求人が充足した際は、ハローワークに報告することでWEB上の求人を非公開とすることができます。
3.併せて実施したい高卒採用の施策
高卒採用には「1人1社制」というルールがあります。これは、高卒者は内定した場合必ず就職するのを前提とし、選考結果が出るまでは他の企業に応募できないというものです。そのため、何社も応募できる大卒採用より「いかに学生に企業を選んでもらえるか」がポイントになると言えるでしょう。ここでは、高校採用のルールを踏まえた上で、実施しておきたい効果的な採用活動やポイントをお伝えします。
1.学校訪問
学校訪問とは、事前に学校にアポイントを取って訪問し企業をPRする方法です。7月1日以降に高校生の求人票が一斉解禁になるので、パンフレットなどを持参し学校訪問をしましょう。先生が企業の特色を理解していないと生徒への就職サポートができないので、訪問時は先生に求人票に記載されていない企業の強みや特徴を具体的に伝えるとよいでしょう。
2.応募前職場見学
応募前職場見学とは、応募書類を発送する9月5日よりも前に職場を見学することです。見学を受け入れるかどうかは、ハローワークで求人申請書を提出する際に決めることができます。実施する際は、事前選考につながるとされる「生徒へのアンケートの実施」や「個人情報の聴取」は禁止されていますので、注意しましょう。
3.企業パンフレット郵送
高校生が自由に手に取れるよう企業パンフレットをファイリングしている高校も少なくありません。目を引きやすい写真やイラストなどを用いて、先生や高校生に手に取ってもらえるよう工夫しましょう。
4.高卒採用専用のWebサイト作成
スマートフォンやパソコンは、高校生にとって身近な検索ツールです。Webサイトは制限なく企業の強みを掲載することができるため、高校生に伝えたい情報を過不足なく掲載することが必要です。
4.まとめ
今回は、ハローワークで行う高卒採用の手続きや具体的な採用活動の施策についてご紹介しました。近年は人材確保の競争が激化しているため、ルールを踏まえた上で効率の良い採用計画を立てましょう。 また、「高卒採用の教科書」では、日本全国の高卒採用に取り組んでいる企業様の採用サポートを実施しています。
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