高卒の採用活動において面接は実施しているが、高校生の面接の質問例に関して詳しく知りたいという企業も多いかと思います。今回は、高卒採用の面接において気を付けるポイント、高卒採用において実際に使える質問例に関して紹介します。

1.はじめに

生徒と企業が直接連絡を取り合うことのできない高卒採用において、面接は実際に顔を合わせて会話ができる貴重な機会です。自社に適した人材見極めるためにも様々な質問をしたいところですが、高卒採用独自のルールにより実は質問の内容にも制限があるのです。

そこで今回は、高卒採用の面接において気を付ける点、高卒採用において実際に使える質問例に関してもまとめましたので、参考にしてください。

2.面接時に気をつけるポイント

採用面接では、本人の適性や能力以外の事項を採否の判断基準に含めてはいけないというルールがあり、高卒採用では特にシビアに取り扱われています。これは、就職差別を防ぎ公平な選考が行われるために厚生労働省が定めているもので、具体的に以下の11項目が就職差別につながるおそれがあるとして質問が禁じられています。この規定に抵触すると、ハローワークからの指導が入ったり会社の信用を低下させてしまったり、次年度以降の採用活動にも大きな影響を及ぼしますので、細心の注意を払って面接を実施する必要があります。

＜本人に責任のない事項＞

①本籍地や出生地に関すること

②家族に関すること

③住宅状況に関すること

④生活環境・家庭環境などに関すること

＜本来自由であるべき事項（思想や信条にかかわること）＞

⑤宗教に関すること

⑥支持政党に関すること

⑦人生観・生活信条に関すること

⑧尊敬する人物に関すること

⑨思想に関すること

⑩労働組合に関する情報、学生運動など社会活動に関すること

⑪購読新聞・雑誌・愛読書に関すること

3.高卒採用の面接の質問例

「では、一体何を質問したらよいのか？」「何も質問できないのでは？」と頭を悩ませた採用担当者の方も多いと思います。ここでは、規定に触れず生徒の適性や能力を確かめることのできる質問をご紹介します。これらを基に面接時に使用する質問シートを作成し採用に関わる社員にシェアすることで、うっかり規定に触れてしまう事態を防ぎ、また、担当者間での採用活動の目線を合わせることにも役立ちます。ぜひご参照ください。

【質問例】

①「弊社を志望した理由を教えてください。」

採用面接では定番の質問です。生徒の自社に対する考えや働く意欲、志望度などを判断することができます。

②「どんな仕事をしてみたいですか？」

その人の適性や目標が垣間見え、採用後の配属先を決定する際の参考にすることもできます。

③「簡単に自己紹介をお願いします。」

生徒の人となりや人柄がよく出る質問ですし、自己分析ができているかどうかやコミュニケーション能力を測る指針にもなります。

④（職場見学参加者の場合）「実際に社内を見学してみてどうでしたか？」

応募前職場見学を実施していた場合は、応募者が実際に参加者であったというケースも多いかと思います。自らが見て感じたことを言葉で説明するスキルがあるかどうかを見極めることができ、また参加者の率直で素直な感想や疑問点などを引き出すことで自社の今後の採用活動をよりよくするためのヒントも得られるかもしれません。

⑤「3年後（5年後）社会人としてどうなっていたいですか？」

質問の通り、生徒が描いているこれからのビジョンや理想とする社会人生活について知ることができ、自社が描いている経営・人事計画にマッチしている人材であるかを判断する材料にもなります。

⑥「ご自分の長所を教えてください。」

生徒の自己分析力はもちろん、自身の思う長所を業務でどのように生かすのか、会社にどのように貢献してくれるのかを知ることもできるでしょう。

⑦「ご自分の短所を教えてください。」

⑥の短所パターンで、長所・短所をセットで質問するケースも多いです。こちらの質問では、短所を自身でフォローする力や、課題解決に対する姿勢などをみることができます。

⑧「高校生活で一番の思い出はなんですか？」

どのようなことを大切にして過ごしてきたのかという事や、人との関わり方などが垣間見える質問です。

⑨学生時代に最も頑張ったこと、力を注いだこと、努力したことは何ですか。

どんなことに情熱を注ぎ、どんな目標を立ててどんな工夫をしたのかを把握することができます。また、どんな価値観を持ち、どんなことに一生懸命になれるのかも知ることが出来ます。

⑩人生の中で最も悲しかったこと・辛かったことは何ですか。

人間性や価値観、生き方、物の考え方などを知ることができます。学生がどんな壁にぶつかり、どのように乗り越えてきたかを把握することができます。

⑪あなたの理想とする社会人像を教えてください。

どのような社会人になりたいと考えているのか、自らの将来をしっかりと考えているのかについてや、学生の人間的な大きさや可能性、その実現に対する具体性を図ることが出来ます。

⑫周りを巻き込んだ経験はありますか？

基本的には「組織の中で発揮できる能力」を判断するための質問です。特に、周囲を巻き込む力は、リーダーや経営者など多くの人を引っ張っていく立場の人こそ必要な能力となります。今後、会社を引っ張っていく人材にとっては必須の経験です。

⑬「当社で働くことが、あなたの人生をどんなものにすると思いますか？」

この質問は、「長期的に働いてくれる人材かどうか」を見極めるために役立ちます。本当に自社に入社してコミットしてくれるかどうかを確認するために、自社で働くことが「人生において実現したいこと」と密接に関係しているかを確認しましょう。

⑭「学校生活で苦労したことを教えてください。」

自らの力で壁を超えるような経験をして事があるかどうか、また、そうした困難にどのように臨んだかが分かります。その経験を仕事ではどのように生かせるかなど、適性や能力を判断するような質問に繫げることもできます。

⑮「何か質問はありますか？」

いわゆる「逆質問」です。生徒が持つ疑問や不安を解消することはもちろん、自社に対しての興味関心の度合いや理解度、臨機応変さなど、様々な点を観察することができる質問です。

4.まとめ

高卒採用の面接において気を付ける点、高卒採用において実際に使える質問例にに関して紹介しました。

いかがだったでしょうか？厳しい制限がある中でも採否の判断に有効に使える質問は意外とあります。これらを組み合わせ、自社が求める人材をしっかりと見極めましょう。今回ご紹介した質問例をご参照いただき、企業も生徒も学校も皆が安心できる採用・就職活動にぜひお役立てください。

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